私自身の入社当時の話をすると、まずは営業の現場で、そしてアメリカの現地法人で仕入の現場を経験しました。
当時事務所がニュージャージーからカルフォルニアに移動しようという時期で、経理機能がなかった為、私が自ら経理処理を
やらねばなりませんでした。また次の担当者のビザの手配をしたりと総務的な役割もやる様になり、結局、現地法人では一から十まで
全てをやらざるをえない状況になりました。逃げる事もできず、やるべき事をやっていった結果、できる様に力はついてきたと思うのです。現場での経験が役に立ち、今でも私の中で生きています。
ですから、みなさんが、それぞれの部署に配属された際は、是非現場を意識し、営業なら得意先、
仕入なら仕入の現地へ行って、何が問題なのかを肌身で確かめてください。
そこで出てくるアイデアというものはいわゆる机上の空論ではなく、それこそが現実に役に立つ知恵だと思います。
いろいろ言いましたが良い知恵を出すために現場に出るということを意識してください。
次に言いたい事は あなたがたは学生というアマチュアが終わり、プロになったということです。
これからは自分たちが会社を通じて世間に貢献し、その対価という形でお金をもらって、
それが給与、生活の糧になります。
アマチュアとプロは全然違います。
厳しさも違います。
優秀なプロになってください。
優秀なプロとは優秀な職人です。職人であるなら、自分の仕事にこだわりがあり、全力で臨みます。
当然、自分の仕事と結果に対して、自信と誇りをもっています。プロが仕事に力を入れられる理由は与えられた仕事に対して楽しさ、魅力を発見できるからだと思います。
前の職場では単純作業もありました。しかし、単純作業からでも楽しい事は見つけられるものだと思います。与えられた仕事であっても、やらされる仕事ではなく、どうすれば効率的に成果をあげれるのかということを考えてほしい。
考える事で面白味を見つけ出す事ができ、仕事が大切になっていきます。
だから与えられた仕事が簡単なことであってもそこに面白味を見つける努力し、意識をもって仕事をしてください。
そして最後は、昭和グループの企業文化というものを理解してもらいたいという事です。
わが社は1877年に創業し、1952年に三代目が現在の法人にしました。
その三代目、末野明が大切にしたものの一つに社訓があります。
一つは信念。
一つは誠実。
一つは精進。
【わが商魂より抜粋】
『信念』
どんな人間でも生きている以上は「私は立派な人生送って見せる」という信念を持っているはずです。
わが社はそんなまともな考え方を持った人材を迎えています。当然同じ考え方から「私はこの会社を立派な会社に育てて見せる」
という信念が社員の方に生まれてくるはずです。私達は今日までこの信念を持ち続けて会社を育ててきたし、
更にこの信念を当社の全員で一層固いものにして行かねばならない。
『誠実』 誠実さとは、自分に建てた課題を実行する事。社外で嘘を言えば信頼をなくす、社内で嘘を言えば幹部になる事ができない。
誠実さのない人はどんな社会においても受け入れられる事はありません。
『精進』 麦袋の底をはたいて集めた麦を自分で耕した大地にまかねばパンは得られない。自ら釣らねば魚は得られない。
自分で苦心し、努力せねばならない。努力の結果、会社の成績を上げ、それが全社員の生活の糧となる。
この3つを仕事をするときに思い出してください。
以上もって新入社員の方々への歓迎の言葉とさせて頂きます。
|